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小さな独り言



たぶん、この写真を大きく引き伸ばす。
白黒ってのはなかなか渋くていい。
大きなパネルに入れて、真っ白い壁にかかったら、
その写真に変更する予定。

お楽しみに。(笑)
〜シロとクロ〜

まさに昨日だ。
定休日だった私は、昼前にのそのそと起き、
愛車を車検に出し、散髪屋さんへ行き、
もてあました午後を、
3ヶ月ぶりに明石のじーちゃんちに行こうと、
真っ赤な代車で西へ向かった。

1ヶ月に一度は顔を出しに行ってたのだけど、
私にもいろいろと諸事情はある。(笑)
なかなか行きそびれてたとこに、
じーちゃんから電話をもらった。

「何してる?いい加減来い。ばーちゃんも待ってる。」

「古い人」というのは、言葉がキツイ。
しかも、電話となれば、用件しか言わない。
その裏側に潜む、思いやりとか、やさしさとかを、
瞬時に汲み取るには30年は生きてないと無理だ。(笑)

そこまで判ってながらも、二日酔い全開の今年34歳となる
ちゃらんぽらんな「愚孫」は、
そっけない返事で適当に電話を切る。(笑)

反省しております。
タイミングわるいんだもんなぁ〜。(笑)

で、コレはいよいよ近いうちに行かなければ・・・
なんて思っていた私は、もてあました午後をあてがうことにした。

「あてがう」ってのもどーかと思うが・・・。

実は、1ヶ月ほど前にばーちゃんが手術したらしい。

どこぞに小さな「ガン」が見つかった・・・
というか、数年前からあったらしいのだが、
それを取るがために、80歳をとっくに過ぎた老体に
メスを入れた。

取るとすれば最後のチャンス・・・だったらしい。

手術は成功。
退院して2週間ほど過ぎてる。
父親から経過は聞いてるとはいえ、
・・・コレもまたタイミング悪いな。。。
なんて思いながらも、ちょっと気になるし
入院中に行けなかったという気まずい感じ満開で逢いに行った。

逢ってみればなんてことなかった。
「なんだこの真っ赤な車は?」
「車検の代車。」
たわいのない会話から始まった。


じーちゃんもばーちゃんも終始笑ってた。


自慢ではないが、うちのばーちゃんは、
ハイカラな感じの人だ。
「古い人」の割には背も高く、しゃんとしてる。
なんでもてきぱきとこなし、おしゃれだし。
私が中学生の頃、みょーに色気好き、
茶髪にしたくてしたくてしょーがなかった頃、
ばーちゃんの頭は鮮やかなパープルだった。(笑)
すぐにもとの白髪に戻ったが・・・
たぶん、じーちゃんに孫がまねすると怒られたのだろう。
いまさら思い出すと申し訳ない。
事実、「ばーちゃんの髪は紫だった。」と理由を付けて、
茶色い髪の何が悪いとのさばった。
まさに「愚孫」。(笑)
実になつかしい。

そんなばーちゃんなのだがさすがに老体にメスはキビシかったのか
それとも時の流れがそうさせたのか、
昨日は「杖」をついてた。
「腰」も若干曲がった気がする。
耳はかなり遠くなった。

何もしなくても、当たり前のように時は経つ。
80をとっくに過ぎたじーちゃん・ばーちゃんも
90を向かえ、100を向かえ、
これまた当たり前のように生涯を終える。

残りわずかな時間。
「わずか」と言ってしまえば失礼なのかもしれないけど、
私が顔を出すことによって、二人ともが、
笑ってくれるのであれば、

また行こう。

というか、たとえ笑わなくなってしまっても、
行かなきゃいけないと思いながら、
帰路について・・・・

またふっと思い立った。

で、ここからが本題。(笑)
二つに分けようかとも思ったが、
分けるほどのような事でもないし、
こんなものただの「日記」でしかないからこのまま書く。

久しぶりに須磨の弟夫妻のとこへも行ってみっか。

ちょうど大阪への帰り道だし、
今年の正月に逢った私の「甥」にあたる、
2歳の「小さな人間」は寝起きで不機嫌で、
私の顔すら見なかった。(笑)

リベンジだ。

今日こそ遊んでもらう。(笑)
正直、子供は苦手だけど、「おじさん」の役目はしたい。
意気揚々と、しかも驚かせてやろうと、
事前に連絡など無しに弟のマンションの前に着くと・・・

車がない。
部屋の電気も消えてる。

あらら・・・ざんねん。

弟の家は1階の端っこなので、探さずとも、
電気が消えてるのがすぐ判る。
で、ある事に気付く。

カーテンも閉めずに、お部屋のなか丸出しで出て行ってる。



・・・・・ん??



怪しまれるのは嫌だったけど、なんとなく真っ赤な代車から降りて、
背伸びして覗き込むと・・・・

部屋の中、何もないんですけども?
カーテンどころか、ソファーもテレビも・・・
ガランとした真っ暗な部屋だった。

うーん・・・・・・?

弟に直接電話すればいーのだろうけど、
なんとなく、実家の電話を鳴らしてみた。

母親が出た。
「どーしたの?」

「つかぬ事をお伺いいたしますが、お宅の次男、引越しした??」

何かを察知した母親は含み笑いで、
「あんた、今、どこに居るの?」
と、私の質問への答えではない。

「お宅の次男の家の前。で、引越ししたんだな?」

耐えられなくなったのか、母親はケラケラ笑い出す。
「あらまあ、気の毒に。」
まだ、私の質問に対する答えではない。

「私は引っ越したのか?と聞いてるんだけども。」

ケラケラがゲラゲラに変わりながら、
「何で連絡してから行かないの?」
いまだに私の質問への答えは返ってこない。

「驚かしてやろうと思って。」
答えは・・・・もういい。
たぶん、引っ越したんだな。。。
「で、どこへ引っ越した?」

母親は息を整えながら、
「どこへって言われても・・・・その大通りをまっすぐ・・・
・・・・・電話じゃうまく説明できない。」

そんな細かな場所はこの際どーでもいい。(笑)
何せ、そんなに遠くないって事だけは理解できた。

「で、なぜ知らせない?」

「ついこないだだったからよ、9月の頭のことだったから。」

・・・・・・もう、半月過ぎてるし。
「今の所より広いとこなのか?」
今、目の前にあるマンションというか、アパートというか、
聞こえがいいからマンションと書いたものの、
まあ、夫婦2人で暮らすにはじゅうぶんだが、ここに、
「小さな人間」が増えれば厳しいのは良くわかるので、
引越しもわからなくもないという感じだったので、
いろいろ聞きたいことはあったが手短にそう聞いてみた。

帰ってきた答えは、
「そこよりは広いわよ、一戸建てだもん。」

・・・・・・・聞きたいことがさらに倍になった。
意を決して短く問いかける。

「・・・・・買ったのか?」


「高かったらしいわよ。」




あんにゃろー、だまって家買って、引越してやがった。(笑)
別に知らせなきゃいけない訳でもないけど。
もっと冷静に考えれば、
順風満帆な「弟」君が、
いつまでたってもちゃらんぽらんな「愚兄」に
「家を買いました。」と報告もしづらいだろう。
そんな事は百も承知。

ただ・・・
ただ・・・だ。

もしも・・・だ。
この目の前にある須磨のマンションに、
すでに別の人が住んでいて、電気が点いていたとしたら、
私は「甥っ子」を驚かすがために、
「鬼」かなんかのお面をかぶって、
見ず知らずの人の家のピンポンを
コレでもか、というくらい連打する事になっていた。
ドアが開こうものなら、なだれ込んで、
「わるいこはいねぇ〜かぁ〜。食っちゃうぞぉ〜!」
となまはげ張りに、部屋の真ん中で踊ってただろう。。。


実にあぶなかった。

まあ、そんな兄だから隠してた訳でなく、
なんとなく言い出せなかったんだと、
都合の良い解釈をしながら、電話を切ろうとすると、

「あんた、そこに居るって事は明石へ行ってたの?」

「うん。」

「おばーちゃん元気だった?」

「うん。」

入院中のばーちゃんの世話、
一人残されたじーちゃんの世話はこの人がしてたのであろう。
当然の事と言ってしまえばそーなのかもしれないが、
なにか手伝える事もあったかもしれない。
なんとなくまた気まずくなった時、
「そう、良かった、じゃあね。」と切り出された。

・・・たぶんこの人には何があってもかなわない。。。


なんとなく、大きく一息ついてから、
まだ会社で仕事中だった順風満帆な弟をひっつかまえて、
拉致さながら車に乗せ、

「なんだこの真っ赤な車は?」
「車検の代車。」

なんて、数時間前にだれかと交わしたような会話を、
・・・血だな。。。なんて思いながら、
道案内させて、買ったという家の前で停めた。

目の前にはいまどきの綺麗な2階建ての家があった。

読み返せばわかるが、買った、買ったと書いてきたが、
どう見ても、新しく「建てた」家だった。

こんにゃろー、だまって家建ててやがった。(笑)

となると、話は変わってくる。
引っ越したのは9月の頭で、バタバタと連絡出来ずに・・・?
さら地に2・3ヶ月で家が建つとは思えない。
遅くても、半年以上前から、9月には新しい家が建って、
引越しするという事は決まっていたのだろう。

なぜ言わない?
・・・まあ、もう、どーでもいいや。。。(笑)

いいだけ「小さな人間」とキャッチボールした。

何も持ってなかったので、さっきばーちゃんに貰った
ぶどうをやったら、にこにこほおばってた。

子供は苦手だが、かわいくない事もなかった。(笑)

帰り際、見送りに出てきた弟嫁に、

「何ですか?この真っ赤な車は?」
「車検の代車。」

・・・・なんなんだ?みんなして。
よっぽど似合わないんだろうか・・・
私と真っ赤な車。(笑)


よし。
次に行く時は「新築祝い」と銘打って、
私の撮った海の写真を出来る限り大きく引き伸ばして、
嫌がらせか?と言うくらい馬鹿でっかいパネルにはめ込んで、
ねじりはちまきで、「クギ」と「カナヅチ」持参で、
満面の笑みを浮かべて、
「どこに飾る??」って聞いてやろう。(笑)
間髪入れず「この辺かな・・・?」なんて、
真っ白で綺麗な壁に、水平器をあてがって、
マジックで印付けて、思いっきり太いクギを打とう。


むふふふ。。。
楽しくなってきた。。。(笑)


あ・・・
だから隠してたんだ。。。
残念だったな・・・我が弟よ。。。(笑)
待ってろよ・・・我が弟よ。むふふふふ。



2009/9/17 Keiji Hasuike





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